ムラ社会の怖さ。
映画「楽園」を見た。
2019年公開で原作は吉田修一。最近吉田修一原作の映画にハマって順番に見ている。
この映画のあらすじ
Y字路から起こった二つの事件、そして容疑者の青年、傷ついた少女、追い込まれる男…三人の運命が繋がるとき、物語は衝撃のラストへと導かれる。彼らが下した決断とはー。
"楽園"を求める私たちに、突きつけられる驚愕の真実とはー。
この三人が主演。
楽園なんてないのかもしれない。
罪、罰と物語は展開していく。
Y字路で起きた少女失踪事件。犯人は分からないまま、少女は見つからず12年の時が経つ。同じ場所で再び少女失踪事件が起きてしまった。綾野剛はその事件の容疑者にされてしまう。村の者たち全員に追われ恐ろしい体験をする。逃げ込んだ店の中で焼身自殺をしてしまう。
そしてその後、別の人物が犯人だったと判明。綾野剛は今回の事件の犯人ではなかったのだ。
12年前の事件も、今回の事件も犯人は綾野剛だと思いたい柄本明の「あいつが犯人だと言ってくれ!」は中々辛い言葉だった。犯人ではない人を自殺に追い込んだのは自分だから。
杉崎花は失踪直前まで一緒にいた友人。自分が最後まで一緒にいればとずっと思い悩んでいた。綾野剛と親しくなっていただけに、罪もなく亡くなってしまったことに耐えられなくなっていった。でも立ち上がり、向き合い、ちゃんと生きていく強く逞しい女性になった。
佐藤浩一はまた別軸で物語は進んでいく。先の事件の捜索隊の一員として登場するが所属する村は別の村だ。その村で佐藤浩一は村八分にされどんどん壊れていく。村八分という言葉をぼくもこの映画で初めて聞いたのだが、制裁行為らしい。ようするに村全員からいじめを受けることだ。誰かを悪人にして心の安定を図る村人たちは本当に嫌な奴らだ。でも人間はそんなもので、卑しい生き物だと突きつけられた気がした。
最後、佐藤浩一は村人を順番に殺していく凄惨な事件を起こし自殺まで…。
どこに行っても一定のグループがあり、ムラ社会がある。職場、学校、地域…。そんな中で楽園はあるのだろうか。考えさせられる内容でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。それでも楽園を求めたい。以上、仮面クライマーでした。
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