「センチメンタル」が一番似合う。
センチメンタル。
そんな言葉が一番似合ってしまう状態にある。
3月、4月というのは色んなことが起こる時期。
僕の所属する店にも変化が訪れる。
異動。
来月、ぼくは別の店に異動する。
その話を聞いたのはふた月程前のこと。
他の店の事情もあり、今の店を離れて新しい店に異動して欲しい。
新しい事業を始めるため、それに協力して欲しい。
様々な提案をし推進して欲しい。
売上を伸ばして欲しい。
というのが上層部の理由だ。
初めて話を聞いた時は嬉しかった。
新しい事を任され頼られることが久しぶりだったからだ。
今の店では依頼される訳ではなく、ぼく自身から始め、お客さんにいかに喜ばれるかを考え行動してきた。
一人考え行動するよりも、周りに頼られ行動する方が心地が良い、安心する。
新しい場所に移り、事業範囲が広がることにわくわくしていた。
嬉しい反面、今のお店のお客さんに会えなくなるため、寂しい気持ちもある。
だから今、センチメンタル。
異動間近となり、件をお客さんに話し始めたからだ。
「仮面クライマーさんが去ってこの店は大丈夫なのか?」
「寂しくなる。」
「会える確率が減るのは残念。」
「今が一番良い状況なのに。」
「居なくなるなら来なくなりそう。」
色んな声を聞いた。
寂しく思ってくれることが嬉しく、離れたくない。
どんどんセンチメンタルになる。
まだ数名なのに。
店を離れるまでに親しいお客さん全員と話さなければならない。
最後の人まで涙を堪えれるか心配である。
ここまで読んでいただきありがとうございました。3月だけが別れの季節じゃないってこと。以上、仮面クライマーでした。